会長挨拶|シンボル&ロゴ

日本太陽光発電学会設立にあたって

 日本太陽光発電学会会長 宇佐美 徳隆
(名古屋大学 大学院工学研究科 教授)

太陽光発電は、地球温暖化ガスの大幅削減に貢献するクリーンなエネルギーであり、我が国における導入量は、2019年末時点で約63 GWと、国土面積当たりでは世界トップレベルの大量導入を実現しています。そして、2050年に向けた再生可能エネルギーを中心とする脱炭素化エネルギーシステムにおいては、主力電源として大きな役割を担うことが強く期待されています。

その役割を実際に果たすためには、少なくとも150 GW以上、長期的には300 GWと太陽光発電のさらなる大量導入が必要です。しかし、国土の限られた我が国では、現状技術の延長では、いずれ導入量の制約に直面することになります。よって、太陽光発電の「利用領域の拡大」が重要であり、生活エネルギー分野、生産エネルギー分野、運輸分野、さらには社会変革に伴い創出されるさまざまな新領域へ対応可能な技術の革新と制度の刷新が求められます。多様な需要・設置場所やサービスに対応可能な付加価値をもつ出口ユーザー視点からのモジュール開発に加え、精緻なエネルギーマネジメント・送電網の強化やスマート化など関連する領域は拡大を続けることとなります。よって、太陽光発電に関連する広範な学術領域の英知を結集し、イノベーションの実現に最大限の努力をもって取り組まなくてはなりません。

このような背景に鑑み、太陽光発電に関連する学術分野の研究の促進ならびに成果の普及に関する事業を行い、将来の脱炭素社会の実現とその発展に寄与することを目的とする日本太陽光発電学会を設立する運びとなりました。

本会の設立準備委員会は、2004-2019年度の3期16年にわたり活動した日本学術振興会産学協力研究委員会 次世代の太陽光発電システム第175委員会の有志メンバーから構成されています。この3期16年の間、委員会メンバーが中心となって策定した研究開発ロードマップの下で、戦略的な研究開発を産学連携体制で活発に実施してきました。その結果、各種太陽電池の変換効率の大幅な向上や新型太陽電池モジュール製造の事業化など、多くの世界トップレベルの成果が創出されました。また、国内シンポジウムの開催や研究会、見学会などの分科会活動、国際会議の運営や諸外国とのワークショップ開催を通して、国内の研究開発の活性化・高度化と人材育成、国際協力体制の構築に努め、産官学の強固なコミュニティーが形成されました。このように、萌芽的な研究領域における産学連携を国が支援するという産学協力研究委員会の趣旨を満たす成果が十二分に得られたことから、委員会総会の決議を経て委員会を発展的に解散し、新たな一歩を踏み出すこととなりました。

本会は、太陽光発電に関連する広範な学術領域を網羅する国内唯一の学会として、シンポジウム、分科会、講習会、見学会等の開催及び人材育成、教育事業、海外の学術団体との連携などの事業を実施し、包括的な情報提供を含め、さまざまな会員サービスを提供してまいります。このような設立の趣旨からも明らかなように、本会では、物理学、化学、材料科学、化学工学、機械工学、電気・電子工学、エネルギー科学、エネルギー政策学、情報学、気象学、都市工学など太陽光発電に関連する学際的かつ広範囲の学術分野の研究者に参加を呼びかけます。また、電機、材料、化学、電力、運輸、エネルギー、建設、ファイナンスなどの脱炭素社会実現に意欲のある企業や団体等の皆様に、この趣旨をご理解の上広く参加をお願いします。

マークにかけた想い

 日本太陽光発電学会
シンボル&ロゴマーク

日の出や盆栽に着想を得て全体を型取り、日本人ならではの巧みな技術や、洗練された細部までのこだわりを表現しました。海外には真似ができない日本人らしい繊細なものづくりを目指す学会メンバーの思いが詰まっています。太陽、地球、エネルギーを象徴する3つの円は、様々な人々の英知や思い、それらの重なり合いが太陽光発電を生み出すことを表しています。真ん中に走る曲線は発電のピクトグラムをモチーフに、電力が人々の英知や思いを通して創り出されている様子を表現しています。このマークは、Hitomi Design Studio Ltd.に依頼し、工業デザイナーの寺川仁美さんにデザインいただきました。

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